ケーススタディ
乗り換えのケーススタディ3|相場の変化をとらえて大型株に乗り換え
株式投資では、買い方の資金がどこを向いているか見極めることが大事です。また、その時々の市況により、買い方が弱気で、市場に資金が入ってこないことがあれば、強気に変わり、巨額の資金が入ってくることもあります。そのため、市場の雰囲気を一転させるような大きなイベントは、資金の流れを大きく変えるターニングポイントになります。その例といえるのが、2016年6月23日に英国で行われた国民投票です。
英国国民投票の前後
EU離脱を問う英国の国民投票を巡り、日本の株式市場は大荒れとなりました。開票が行われた6月24日、日経平均株価は円高の影響を受け、前日比で1,200円も急落。マザーズやJASDAQに上場している中小型株では大幅安・ストップ安となる銘柄が続出しました。その直前の国内市場は、英国の国民投票と、そのあとに控える米国の大統領選が警戒され、大口の買い方が躊躇している状態でした。そのため、2016年は年初から個人投資家が好む中小型株が堅調で、当社もその流れを捉え、小野薬品工業(4528)やペプチドリーム(4587)といったバイオ株などを買い推奨していました。
しかし、国民投票が終わり、相場つきが変わります。英国がEUから抜けたらどうなるか、英国に次いでフランスやイタリアも抜けるのではないかといった不安材料は残ったものの、ブレグジットという方向性が明らかになったことで、大口を躊躇させていた悪材料が抜けたためです。
その変化を踏まえて、当社はそれまで保有してきた中小型株を売り推奨しました。内需株から外需株、中小型株から大型株が買われる流れに変わっていく可能性が大きいと判断したためです。
大型株への乗り換え
選挙を経て、当社では大型株を中心に買い推奨しました。EU諸国と取引のあるグローバル企業の株価が堅調であることが確認できたため、東京エレクトロン(8035)、村田製作所(6981)などを主力として買い推奨し、資産全体に占めるこれら銘柄のウエイトを高めました。
東京エレクトロンは半導体製造装置の会社で、その分野では世界でも知名度と実績があります。村田製作所も電子部品の大手で、当時発売開始が迫っていたiPhone8の関連銘柄でもありました。
例えば、弊社の主力コンテンツである日本株成功ナビ(500万円コース)では、投資資金の約半分をこの2銘柄が占めることになります。優良銘柄だとわかっていても、投資比率が小さければ資産増加のインパクトも小さくなります。また、中小型株はボラティリティが大きく、買い板が薄いため売れなくなるリスクがありますが、出来高が多い大型株はそのリスクが小さいのが特徴。そのような点を踏まえ、資金を集中させて投資効果を高めることができました。
購入後の展開
買い推奨の株価は、東京エレクトロンが9,142円、村田製作所が12,650円。株価はその後堅調に推移し、東京エレクトロンは約3倍の21,000円前後、村田製作所が16,000円前後まで伸びています。
乗り換え成功のポイント
国民投票のような大きなイベントの前後は、投資家の不安が増幅します。そのような状況では、持ち株の配分を見直したり、一部を現金化したりしてリスク管理することが大事です。その際にもう1つ重要なのは、ただリスクを避けるのではなく、どの分野やセクターに資金が動いているのかをみることです。というのは、大半の人が「買って大丈夫」と判断するときに買っても、すでに変化に乗り遅れていることが多いからです。
今回のようなイベントでは、何兆円という規模の資金が動いていきます。今後も同じくらいインパクトのあるイベントは起きるでしょう。変化がチャンスになる株式投資では、変化に応じた乗り換えが必要。早め早めに行動することが利益獲得につながるのです。
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