投資のノウハウ

いったん大きな値幅が取れると、小さな損失は怖くなくなる

株式投資をしている以上、投資したすべての銘柄で利益を出すということはあり得ないと言ってよいでしょう。特に、資金が限られている場合、別の銘柄に乗り換えるために、現在は含み損状態になっている銘柄を売却して損失を確定し、資金を捻出しなければならないケースも出てきます。もちろん、それ以外にも思惑通りに上がらずに損切りを決断せざるを得ない銘柄もあります。これは、どんなに経験と知識のあるプロ、ベテランが投資をしても同様です。

適切な損切りのタイミングとは

本サイトでは、「〇%下落したら、機械的に損切りをする」といった方法はお勧めしませんが、含み損を抱えたままになると限りある投資資金を大きく減らす原因になり、他のチャンスを逸することになりかねませんから、損失は早めに確定することが重要だと考えています。

損失の確定は、基本的には辛い行為です。ただし、ほかの銘柄ですでに利益を取れていると、それも大きな利幅を取れていると、受けるダメージはまったく違います。

たとえば、資金30万円から始めた場合、一度10万円の利益を獲得していれば、その後に買った銘柄で1万円、2万円の含み損が出たとしても、ためらうことなく「損切り」をして損失を確定できます。他の銘柄に乗り換えるための損失確定であっても同様です。トータルではまだ数万円のプラスになっているわけですから、金銭的なダメージはまったくなく、精神的にもゆとりがあります。すっきりした気分で、また新しい銘柄にチャレンジすることが可能です。より有望な銘柄に、適切なタイミングで乗り換えることができれば、その分、資産を早くスムーズに増やしていける可能性が高くなります。

逆に、投資の初期段階で損ばかり重ねることになると、気分的にはかなり辛くなってしまいます。元手30万円が25万円、20万円に減ってしまうと、「これ以上減らしたくない」という気持ちから損失の確定が遅くなり、ますます資産を減らすという悪循環に陥りがちです。投資への意欲が続かなくなってしまう人もいるかもしれません。

だからこそ、最初は着実に資産を増やしていける銘柄を選んでいくことがとても重要になるのです。

本連載は、自著『資金30万円を巨額資産に大化けさせる 銘柄「乗り換え」株式投資法』(幻冬舎)から一部を抜粋したものです。本コラムは実際の投資の成功を保証するものではありません。本コラムを用いた運用は必ずご自身の責任と判断によって行ってください。本コラムの内容に関して運用した結果については、ライジングブル投資顧問株式会社はいかなる責任も負いかねます。なお、本コラムに記載されているデータや法令等は、いずれも執筆当時(2016年2月)のものであり、変更されていることがあります。
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プロフィール

藤村

ライジングブル投資顧問株式会社

代表取締役社長 藤村 哲也

【経歴】

1965年生まれ。横浜市立大学経営学科卒業。1990年太平洋証券(現・三菱UFJモルガンスタンレー証券)入社、証券営業を経て1996年より投資情報部で証券アナリストとして勤務。合併により2000年よりUFJつばさ証券(現・三菱UFJモルガンスタンレー証券)に勤務し、最終役職はUFJつばさ証券部長代理。独立後、2003年6月にライジングブル投資顧問株式会社を設立。中国株、日本株情報サイトを運営し、会員向けに株による財産形成を総合的にサポートしている。Yahoo! ファイナンス 投資の達人、All About株式ガイド。

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