投資のノウハウ
資金が増えてきたら、「分散投資」を徹底することが重要
資金が100万円を超えてきたら、リスクを抑え、可能性を広げる目的で複数の銘柄に分散して投資することが重要です。本コラムでは投機的ではなく、安定して資産を増やす方法をお伝えいたします。
安定感のある資産形成をするには分散投資が不可欠
多額の資金をひとつの銘柄に集中させると、上昇した場合は値上がり益をすべて手にすることができますが、逆に、急落・暴落するような事態に陥ると、資金を大きく損なうことになりかねません。特に、大化けを狙って、流動性が低い新興市場の小型株にばかり投資していると非常にリスキーで、ギャンブル的な値動きに巻き込まれて株価に一喜一憂する、精神的にも辛い日々を送ることになってしまう可能性があります。
せっかくここまで増やしてきた資金です。銘柄の分散を徹底して、リスクを抑えながら安定的に利益を取って行くことを肝に銘じておきましょう。
銘柄は分散すればするほど、安定感のある運用ができます。一部の銘柄の株価が大きく下落するようなことがあっても、他の複数の銘柄の上昇が補うため、資産全体では緩やかに増えていく可能性が高くなるからです。
資金規模ごとの適切な保有銘柄数とは?
資金規模が大きくなってきたら、リスクを抑えるために銘柄を分散させることが非常に重要だと説明しました。とは言え、銘柄数は多ければ多いほどよいというわけではありません。
銘柄の数が多くなりすぎると、どうしても一つひとつの銘柄に目が行き届かず、管理やメンテナンスがおろそかになりがちだからです。その結果、損切りすべきタイミングに損切りできなかったり、乗り換えるべきときに放置したりとなって、資産の拡大が滞るようでは、銘柄を分散させた意味がありません。
気になる銘柄を次々に際限なく買っていくのではなく、銘柄数は一定の数までに抑えて、あとは1銘柄あたりの保有株数の調整で資金を使っていくようにしてください。
では、資金規模ごとに保有する銘柄は、それぞれ何銘柄程度が適切なのでしょうか。
こちらのコラム(資金30万円では、最大でも3銘柄程度に留める)で説明したように、資金30万円のときには最大でも3銘柄が限度だと考えます。
これ以上、銘柄を分散させてしまうと、少額からでは資金がなかなか増えていかないためです。利益を積み重ねて
50万円、60万円と資金が増えてきたら、少し銘柄を増やしてもよいでしょう。
100万円を超えたら、5〜7銘柄までを目安にしましょう。専業トレーダーではなく個人投資家でも、7銘柄くらいなら適切な銘柄管理ができると考えるからです。
銘柄を増やしすぎては目を配れなくなる
さて、500万円、1000万円とさらに資産が増えていったら、もう少し銘柄を増やしたほうがよいと考えますか? 前述のとおり、個人投資家が目を配れるのは7銘柄程度までですから、資産総額に関わらず「手のかかる銘柄」についてはやはり5から多くても10銘柄までを限度としたほうがよいでしょう。ただ、「手がかからない銘柄」も含めると、最大20銘柄までは保有できると考えます。
「手のかからない銘柄」とは、文字通りこまめにメンテナンスをする必要のない銘柄です。運用を続けて、資産規模が増えてくると、ただ保有しておくだけで安定的に株価が上がっていくという銘柄が出てくるようになるのです。
具体的な例を挙げると、たとえば村田製作所(6981)のような銘柄です。村田製作所は、外国人投資家や機関投資家が多く保有している銘柄の一つで、株価は2015年の7月、8月の世界的な急落までは、安定的に上昇していました。こういう銘柄なら、業績の急激な悪化や世界的な株価下落などが起きない限りはとりあえず保有しているだけで安心です。
下の図では、私の投資顧問サービスの各コースでの実際の銘柄保有数とその内容を見ていただければと思います。もちろん、常にこの銘柄数を保有しているわけではなく、そのときどきの状況に合わせて調整しています。
※図:資金別の銘柄数、銘柄名の実例
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